ネージュに染まれseason3 (ページ32)

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ええねん向井side ページ32

「やだあ」

『やだちゃうって』

あかん

「んんんんやだあ」

『.....やだちゃう乗るの』

疲れてたのかもやけどさお酒弱いってば

「こおじのばか」

『ほら、いい子やからしんどかったら頭乗せとき』

タクシーに乗り込めば俺の首に手を回し抱きついた

「かえんなきゃだめ？」

『...だめ』

いや、だめじゃない、でも、だめ

こんな状態の君に手を出すくらいの好きでは俺はもうないし

でも

「こおじのにおいすき」

生き殺しやんこんなん

てかなにこの可愛い生き物

他の誰ともお酒なんて飲まないで欲しいとか思ってみたり

『俺だけにしてな』

君の頭を撫でながら呟けば君はふふふと笑う

「またいこおね」

ねえそれ約束ね？忘れたとか記憶ないとか言うなよってやっぱ思ったりしてな

「やだあ」

『もうほら降りるで』

Aの肩を抱いてタクシーから降ろしそっと玄関のドアを開ければ真っ暗なリビングが目に入り少しホッとした

みんなに飲ませすぎなんて怒られるのが目に見えるし

Aの部屋をそっと開けてベッドに下ろせば

「んんんんありがとおお」

なんて布団を被り笑うんだ

君はちょっとずるいよ

『おやすみA』

そっと君のおでこに触れた俺の唇にやっぱりふふっと笑う君はだいぶずるいや

自分の部屋に戻り理性を保った自分を褒めてお風呂に行こうとそっとドアを開ければそっと閉まったのはAの部屋だった

Aがトイレかなんか行ったのかな？なんて疑問がすぐ消えたのは

めめの部屋のドアが少し開いてたからで

騒つく胸をそっと抑える

君を誰にもとられたくないなんて気持ちが芽生えてるのに今更自覚したんだ

でもええねん

だってまた行こなって約束したし

だって君は約束は守るタイプやし

だから

ええねんって言い聞かせるんだ

うんそうや