ネージュに染まれseason3 (ページ30)

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甘く溶けようページ30

「普通こういうとこ友達とか？彼氏？とかと来るもんちゃうん？」

『普通じゃないから』

「あーまあ確かに」

『友達いないし』

「ねえ地味になんも言えへん」

『なんでよ逆につっこんでよ』

「逆にもクソもないやんそんなん」

『いーじゃんこんなお洒落な店一緒に行ってくれる人なんていないもん』

お洒落なバーなのかカフェなのか観葉植物に囲まれてお洒落なダウンライトに照らされる店の中はお洒落な音楽が流れてて

『なんかもう全部洒落てる』

本の形をしたメニュー表を開きながら呟けば康二はふふふと笑って私を見た

「なんで俺なん？」

『んー？1番似合いそうだったから』

「は？」

『ここに居る康二が想像ついたから』

少し袖を伸ばしながらいわゆる萌え袖で頬杖をついた康二を見てやっぱり絵になるななんて思って思わず笑う

「そんだけ？」

メニュー表に目を移すとページをめくりふわっと笑う

『...ん？』

「ん？今日はこのページちゃうの？」

小洒落たメニュー表は文字まで小洒落ててalcoholなんて文字の羅列久々見たよ

『今日は呑もうかな』

小洒落た店に似つかわしくないであろう男みたいな言葉で呟けば康二はふふふと笑うんだ

「俺も」

なんだろうな君の笑った顔を見てると安心して落ち着くのは

なんだろうなそれと同時に甘くて溶けそうになるのは

「Aは？」

店員さんを呼んで首をかしげる君を見て指を指しながら久しぶりに口に出したのは久しぶりに口にするお酒

『イースターエッグがいい』

「えーなにそれ？あとでちょっとちょーだいや」

甘いこの空間にぴったりな甘い甘いalcohol

一口飲んだ君が少し眉間に皺を寄せたあと

んー甘いけど美味しいなあなんて言ってたけどね

ほら

やっぱ君はやっぱ甘い

君に溶けたくなるのはalcoholのせいにしよう