ネージュに染まれseason3 (ページ11)

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エンドロールは流れないページ11

『ねえ大我...今日でさ』

「嫌だ」

言う前に否定されたらなんも言えなくなるよ

大我が真っ赤な印をつけるのは昔から変わらない

本妻の息子だなんてそんなこと大我に言われたあの時から

私は大我に償うように求めるものを求められた時に与える関係が始まった

「Aがいなきゃ俺は生きる意味なんてない」

やめてよ

「Aがいるから俺生きてんの」

やめて

「置いてかないでよ」

私とどこか似ててでも全然違う

『お願いだよ大我もうやめようよ』

声を詰まらせて言葉を出したって大我は眉を下げて私を見つめるんだ

「Aひとりにしないで」

これだ

これが大我から離れられない理由なんだ

ひとりぼっちの辛さを痛いくらい知ってるから

だから私は大我をひとりぼっちには出来ないんだ

『大我...また今度ね今日は帰るね』

痛いくらいぎゅっとする大我は消えてしまいそうなくらい細くて

今日も言えなかったさよならを夜道で呟いて慎太郎にメッセージを送る

【ごめん】

秒で返ってきたメッセージを見つめながらため息をついた

【謝るなよばーか】

他に言葉があるなら教えてよとかね

「え、A？」

やけに落ち着いた心地よい声に振り向けば

1週間と少し振りに会ってもいつも通り優しい顔してる彼が立っていた

なんだろうな

少し安心したりしたな