ネージュに染まれseason2 (ページ9)

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ぷかぷか舞って阿部side ページ9

『わ、Aってたばこ吸う人だったんだ』

「わ、阿部ちゃんに見られたくはなかったかもしれない」

『見たくなかったかもしれない』

「でもちゃんと携帯灰皿持ってますから」

片付けから中々帰ってこないAを探しがてら外に出たらたばこをくわえる姿がやけに様になっていて

彼女のはく白い煙はやたら綺麗に見えたんだ

隣に座った俺を見てAは少し笑ってみせた

「私ここに来てよかったって思ってる」

『うん』

「でもさ同時に来ちゃだめだったかもって思ってる」

『うん』

「私はみんなとは違うしみんなの関係が私のせいでさ...」

『それは違うよ？』

言葉を遮ったのはAの横顔が辛そうだったから

それに

『Aが来てくれて俺は感謝してるよみんなだってそうだと思う
それにね俺らはAが思ってるよりもっと関係深いからねなんかあっても変わんないから』

「あべちゃん...」

『だからなーんの心配もしなくていいよ』

Aを覗き込んで笑ってみせればほんのりバニラのような香りがして

甘い君の選ぶたばこまで君っぽいなとか思ったんだ

『え、ちょ』

「なんだろこうしたくなった」

たばこを携帯灰皿に押し付けるとそっと俺の首に手を回した君にびっくりしたのは俺

『距離感お馬鹿さんだよねたまに』

なにも動じてないかのように澄ましてみたんだけどさ

「仕方ないじゃんこうしたかったんだもん今度からたばこ吸ってる時はしないから」

そんなこと最早気にもなかったのに

Aのたばこを吸う姿を見たのは後にも先にもこの日が最後だったんだ

そんな君にどんどん興味が湧くのは必然だよ