ネージュに染まれseason2 (ページ38)

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症状は消えない北斗side ページ38

『おはよう』

「...おはよほくと」

同じベッド同じシーツにくるまるAの頭をそっと撫でれば目をこすり笑う

高校の頃樹や京本の隣で弱々しく笑うAを見たときにどうしても気になって気になって

最後の最後に俺からAに近寄ったんだ

この関係がAの苦しみや弱さの元のひとつであることなんて考えなくても分かるのに

それを終わりにできないのはただの俺のわがままだよ

「帰んなきゃ」

『まだ朝早いよ』

「早めに家に帰りたいの」

眉を下げて笑うAに心臓がちくっと痛む

「北斗？髪伸びすぎじゃない？」

『美容室行かないとって思ってんだけどさ』

「もう少し短い方がいいよ」

そっと俺の頭に触れ優しい顔で笑うと俺の唇を奪うんだ

『金髪の子』

「ん？」

『金髪の子だよ』

「あーラウちゃんか可愛いでしょ？」

『うん、あの子くらいかな』

「なにが？」

『別に』

あの子以外は俺のことを全て見透かすような目で見つめてたからね

「変なの北斗また連絡するね」

『ばかなの？車で送るから』

「ごめんね」

俺はさ君から離れられないんだよ

君はいつも謝るけどさ君のせいじゃないんだよ

『少しでもAといたいから』

ほら

俺は

こうやって君の弱さに甘えるように言葉を紡ぐんだよ

君の近くに居たいから

君につけ込むように言葉を紡ぐんだよ