ネージュに染まれseason2 (ページ37)

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守らせてよ岩本side ページ37

ラ「遅い」

深「ラウール寝なもう」

ラ「でも...」

宮「携帯持ってってないのかA
大丈夫だからラウールは寝なさい」

俺らの前でAを抱きしめた奴はどうしようもなく愛おしそうにAの頭を撫でたんだ

俺らに向ける目には優しさなんてなかったのにAを見る目には優しさしかなかった

目「ラウール上行くよ多分今日あいつ帰ってこないから」

向「え？」

阿「え？言ってた？」

目黒はゆっくり立ち上がるとラウールを見てとんでもない言葉を口にして

首を傾げるラウールや目黒に視線を移した俺たちを見てふっと笑ったんだ

目「顔に書いてたからまあ多分だけど
ほら、ラウール寝るぞーお前も昨日あんま寝てないだろ？俺もだから寝るぞー」

すたすたとリビングを出て行こうとする目黒に慌てて席を立つラウール

残された俺らは多分みんな同じことを考えてて

誰も口を開こうとはしなかったんだ

みんな時計の針が12時を超えたあたりでお風呂に行ったり二階に上がったりで

結局リビングにいるのはふっかと翔太と俺

そんな中口を開いたのは翔太だったんだ

渡「お前ら寝ないの？」

深「翔太は？」

渡「眠くなったら寝る」

深「なるほどね俺も眠くなったら寝る」

渡「そう」

『ねえ？帰って来ないのかな...』

ふっかはゆっくり俺を見て翔太はスマホをいじりながら呟いたんだ

渡「だろうな」

『寝るわ俺おやすみ』

渡「ん、」

深「おやすみ照」

帰ってくるか帰って来ないのか分からないAを待つことが

こんなに辛いなんて

日に日に加速してるAへの気持ちに度々気付くんだ

なあAは今どこで今なにを考えてんの？

俺はお前のそばにはいてやれないのかって

あんな弱々しく辛そうに笑うAを俺はやっぱり守ってあげたいんだよ