ネージュに染まれseason2 (ページ14)

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沈め沈め海底へとページ14

『やっぱ馬鹿だ』

笑う私が蓮からするりと離れると蓮が勢いよく手を引いて正面からぎゅっとした

背中に回る蓮の手は大きくてこんな体制なのに安心したんだ

「俺とお前の秘密にしてあげるからだから少しずつでも。お願いだから。A」

蓮のそんな小さな自信のない声なんて初めてで

でも行動伴ってないんだよね

『安定剤って大変だよ』

「知ってる」

『ほぼ毎日飲んでる』

「ならほぼ毎日俺がこうしてあげる」

『ねえ、それちょっと違う』

「嫌なんだよ...Aが薬に頼って生きていくの」

蓮もきっとなんかあったんだね

声が震えてるもん

そんなことまで言われたらさ

「それにさ」

『ん？』

「お前は俺になら知られていいって思ったんでしょ？」

それが事実だったからかもしれない

『ノックしないで開けるかも』

「いいよAならノックとかしなくて」

ぎゅっと私を抱きしめる蓮の温度が心地よくて悪くないかもしれない

そっと離れれば蓮は私の頭をゆっくり撫でるんだ

「俺以外やめろよ安定剤は」

蓮の言葉に微笑めば階段をゆっくり上がってきたラウちゃんが後ろからぎゅっと抱きついて

ドライヤーしてくれるぅ？なんて私におねだりしてきたんだ

蓮は立ち上がって下に向かい私はそのままラウちゃんの髪を乾かした

「めめとなんかあった？」

なんておませなラウちゃんが私を見てニコニコしてたけど

これは蓮と私の秘密

蓮の言葉が頭の中でぐるぐるしながらその度に心拍数は上昇してた気がして

樹や北斗との関係をそろそろ終わらせる話しをいつするかなとか考えてたんだ