焼きそばパン ページ6
おばちゃんの前でうなだれてるのはどこかで見たことある赤髪と着崩された制服に身を包む男の子で
その後ろにはめんどくさそうに図書室の君が立っている
あ、だから見覚えあるのか
「樹諦めろ俺のおにぎり1つやるから」
「足りるわけねーじゃん」
図書室の君の優しさに赤髪の彼は足りないと一刀両断するあたりが中々の関係性なのだろう
正直パンは2個は要らないし私は彼に足速に近づいて
『どっちかいります?』
なんて声をかけたんだ
赤髪の彼は素早く振り返り私を見て目をまん丸くしたかと思えば次の瞬間目をパチパチさせる
あ、それもそうだどっちかいる?
なんて聞いて好きな方に指をさせる人間は日本でどのくらいるだろうか
『こっちかな』
焼きそばパンを赤髪の彼の手に握らせると彼はすぐさま申し訳なさそうな顔をして
「でも…」
『食の恨みって怖いもんです』
笑った私を見て赤髪の彼はポケットから小銭を取り出そうとガサガサと探ってる
『いいですこれ私も買ってもらったやつなんで』
「や、それは」
『じゃあ今度焼きそばパンご馳走して下さい』
赤髪の彼は何度も首を縦に動かすから少し可笑しくて声を出して笑った私は隣の図書室の君からの視線を感じふと彼を見るとばっちり目が合った
2回目はやたら至近距離で目が合って思わず目をそらした私に
「ありがとうございます」
なんて図書室の君まで私にお礼を言ってきて
『あ、全然です』
一言だけ返事してもうパンを食べてる大我の元へ駆け寄ると
「焼きそばパンの方が食べたかったんでしょ」
大我は呟いて優しい顔で私を見る
『大我が選んでくれた方はメロンパンだから』
メロンパンを握り締めながら答えた私に大我は自分のクロワッサンの最後の一口を私の口へと詰め込んだ
「なんか腹立つ」
歩き出す大我の横にぴったりくっ付きながら
図書室の君からのありがとうございますが
何故か頭の中でずっとリピートされてたんだ
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作者名:むぅ | 作成日時:2018年4月5日 1時