ずるい (ページ47)

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部外者北斗side ページ47

『A食べたら行こっか』

「そうだねあんまり遅いとほくちゃんのママたちに悪いからね」

『逆だからね』

ふふふと笑う姿は前とは違いちょっと自然で
そんなことに俺は嬉しくなるんだ

「A？」

彼女の名前を呼ぶその声は聞き覚えがあって声のする方を見るとそこにはやっぱりこの前の人が立っていた

「...謙ちゃん」

振り返ったAは少し戸惑いながらそう名前を呼ぶんだ

「A久しぶりだね」

謙ちゃんと呼ばれる人の隣に立つ人がAの名前を懐かしそうに呼んでにっこり笑うと

「さなぴー元気そうだね」

なんてAも懐かしそうに笑うんだ
Aの中で謙ちゃんがどれほどまでに特別な存在なのかを思い知らされる

「Aちょっと話す？」

優しそうな顔で優しい声で謙ちゃんはAに問いかけた
そのイエスかノーかを決めさせるように問いかけるのはずるいと思う

「...ごめん謙ちゃんもう帰るんだ
ほくちゃん帰ろっか」

Aは立ち上がり俺を見て苦しそうに笑うんだ

ねえ？A？

そんな顔で見られたら俺はAの帰ろうってその言葉に頷いて立ち上がることしか出来ないよ

俺は2人の問題に関しては部外者だけどさ

今すごくすごく苦しいよ