ずるい (ページ19)

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騒がしい彼ページ19

『そうなの？
仕方ないね行ってくるね』

高地は毎日お弁当を持って来てて
いつもお昼を買いに行く大我が朝食べすぎて要らないし眠すぎるから寝る
なんて言って机につっ伏せながら片手を軽く上げたのを確認して教室の外へ出た

今日は何にしようかななんて考えながら購買に向かうと見覚えのある姿が目に入り少し笑う

『今日は間に合ったんだ？』

横に並びながら問いかけると樹くんは私を見てにっこり笑う

「鬼ダッシュ」

答えると焼きそばパンを手に持った

「先輩ご馳走しますんで」

『なんかその言い方私がせびってるみたいじゃない？』

笑いながら首を振る樹くんはしれっとカフェラテを２つ手に持った
彼は気の使い方や女の子に対しての接し方が上級者なのだ

『おまけまでありがとう』

少しきょろきょろ辺りを見渡した後言う私に

「ほくちゃんは教室で留守番」

そう言って白い歯を見せながらふんわり笑うんだ
つられて笑う私を見ると樹くんは私をじーっと見て

「あ、なんか雰囲気違うなって思ったらここ変えた？」

なんて自分の唇を指差してそう言った
ほらこんな小さなことに気づくなんてやっぱり彼は女心が分かってる
頷いて笑った私を見て

「…似合ってるね」

ちゃんと褒めるところまでしてくれる

『ありがとう』

「あ、やべUNOするんだった
Aちゃんまたね」

樹くんはバタバタと走り去って行く
騒がしい彼から貰った焼きそばパンとカフェラテを両手に持って私も教室へ向かったんだ