ずるい (ページ13)

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消えないページ13

「好きです」

ねえどうしてだろう

私が私を好きじゃないのに

それなのに今目の前にいるこの人は

そんな私が何故好きなのだろう

『ごめんなさい』

「やっぱり京本先輩と付き合ってるんですか？」

『大我は大切な友達です』

「じゃあ少しずつ好きになってくれればいいので付き合ってください」

何回かこのやり取りは以前にしたことがある

その度にこのやり取りの度に頭や心には彼が浮かぶんだ

『私に恋愛は向いてないみたいだからきっと好きになれないから』

眉を下げてそう言うと目の前の彼は口を噤んで少し頭を下げ走り去る

上を見上げると雲ひとつない綺麗な空が広がっていて

何故貴方は私の中から消えてくれないのだろうか

なんてそんなこと少し思うんだ

あ、大我と高地待たせてるんだった

ゆっくり歩き出した私は角から出てきたほくちゃんを見つけて

「ほくちゃん？」

小さな声で名前を呼んだだけなのに
君は直ぐに私を見ると
ふわっと優しい顔で笑って

「A？」

そう私の名前を呼んだ

さっきまで色んな感情が目まぐるしく心をかき乱していたのに

ほくちゃんが私の名前を呼ぶだけで

何故か私はくすぐったくて胸が少しだけ騒がしくなるんだ