迷子の初恋 (ページ50)

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おまけページ50

樹が伝えてくれる言葉は心臓に染み付いて離れない

樹のそばに樹の隣にいることはもう必然だと思ってたけど

改めて言われるととんでもなく嬉しいことを初めて知った

「あ、来た」

樹や北斗くん、それにみんなの見つめる先には長身の男の人が立っていて

その後ろから猛ダッシュで走ってるのは長くてふわふわした髪を揺らし可愛らしいのにどこか芯がありそうな綺麗な人

一直線で走ってくると北斗くんの首に手を回し抱き着いた

「さすが、ほらすげえ好きだろ？北斗のこと」

ゆっくり頷けばそこは2人の空間のように感じて

いつも冷静で落ち着いてる北斗くんが愛おしそうに彼女を見つめると

「俺のお嫁さんになる？」

そんな甘い言葉こんなに大勢の前で言える人だなんて思ってもなかった

大きく頷いた彼女はやっぱりもう一度抱きついて北斗くんはやっぱり愛おしそうに頭を撫でた

その人だけにしか見せれない部分があって北斗くんは彼女で私は樹で

樹はわたしなんだよね？

少し先に久しぶりに見た京本くんの隣にそれはそれは綺麗な女の人が並んでいて目が合うとにっこり笑って京本くんと話してる

『ねえ樹？好き』

どうしても言いたくなったから言いたいときに言っただけだよ
樹は私を覗き込むと

「知ってるよ」

私の一番好きな顔で笑ってみせた

「じゅーりー」

私たちの目の前にひょっこり出てきた北斗くんの愛しい彼女は樹と私を交互に見ると

「はじめまして樹の彼女さん」

なんて言って愛くるしい表情で笑った

「あ、奥さんになるわ」

ねえ樹？どきどきしっぱなしだよ

これが永遠に続くのも悪くないし

最高だよね

もう樹がいるから迷子にならないよ

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