迷子の初恋 (ページ19)

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依存してるページ19

「最近やたら俺にべったりじゃない？」

隣で翔太が笑ってて

『そう？』

「あいつだろ？」

『まじであれ天敵だから私の』

「天敵ねなあなんで絆創膏？誰かに言われた？」

『あーなんとなく？』

樹とご飯を食べた日に
樹が貼った絆創膏を剥がしながら鏡にうつるその痕は
やけに生々しくて
自分の思ってるよりももっと
汚く見えた

絆創膏を貼るようにしたのは

ただなんとなく

ちょっと隠したくなったから

ちょっとダサすぎると思ったから

そんだけだ

「あ、田中樹」

翔太が見つめた先をチラッと見る
楽しそうに笑う樹の姿が目に入り

『自分は楽しそうじゃん』

「気にしてんじゃん」

『別にどうでもいいけどね』

あくびしながら言う私を横目に

「嘘は下手だよなお前って」

そんなこと言って頭を撫でた

「もう俺から卒業してもいいんじゃね」

呟いて去って行った翔太の後ろ姿を見つめる

翔太から卒業する

それはきっといろんな意味だ

翔太は足りないところばかりのくせになぜか優しい

翔太の優しさを求める私は

きっと本当は依存してるんだ