迷子の初恋 (ページ11)

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地雷ページ11

「田中樹と仲良くなったわけ？」

樹が私に手を振るから
少しだけ私も手を振ると
しめはボソッと呟いた

『別に名前教えてもらっただけ』

「覚えること自体珍しいじゃん」

『それ言いすぎじゃないの？』

「自覚なしなの？
田中樹って噂よく聞く
イケメンなのに俺らみたいに腐ってないと」

『うわあそれ分かるかも』

「かもしだされるオーラがね
松村北斗と京本大我と高地優吾
その辺とすげえ噂になってるもん」

『ごめん誰も知らない…あ高地って聞いたことあるな』

「まあ照くんとかと仲わりといいらしいよ？腐ってないのに」

『へえ』

しめと私の会話に翔太は笑いながら

「お前らねこんなとこで堂々と自分たちがいかに腐ってるか話すのどうかと思うよ」

私の隣に座るとコーヒーを渡す

『ありがと』

「先輩には負けますけどね」

しめの言葉に頷いて

『間違いない天下一だから』

「お前らまじ今後なんも飯奢んねえぞ」

翔太はスマホをいじりながらそう言って

『ケチまで極めるとか終わってる』

「可愛がってくださいよそこは」

しめのその言葉に笑った翔太は

「どこにも可愛さがねえんだけど」

笑ってる私たちの前にいかにも女子な女が立ち止まり
翔太を睨み付けるとでかい声を出した

「人で散々遊んでおいて
飽きたからバイバイって何様なわけ？」

「くぅ久々きた」

しめは小声で私を見て呟いて
翔太は優しい声で女に言葉を投げる

「ごめんねここじゃ人多いし外行こっか？」

「なに？遊びだったの？ねえ？
ポイ捨てなわけ？」

しめは目を丸くしてめんどくさそうな顔してて

学食は静まり返ってる

翔太は困った顔で頭をかきながら呟いた

「付き合ってはないよね？」

確実に地雷を踏んだ翔太の言葉に

心の中で笑った