訳あり (ページ33)

今日:77 hit、昨日:85 hit、合計:1,324,085 hit

分かってるページ33

次の日

「おはよう」

そう声をかけていつものように北斗にネクタイを渡す
さすがに踏み込みすぎたかななんてちょっと思いながら
北斗はいつものようにおはよそう言って私にネクタイを締める
ありがとそう言おうとしたら

「昨日のやつなんだけど」

ネクタイを持ちながら北斗は呟いた
ん？首をかしげる私を見て私にしか聞こえないくらい小さな声で

「いいのか？」

北斗のネクタイを持つ手が少し強くなる私はその手を握ってネクタイから離し

「あとで住所教えるありがと」

ネクタイを持って笑って席に着いた
いいって言ってんじゃんなんて独り言を呟いて

授業中大我が私の肩をたたく振り向くと

「今日クレープ食べ行かない？」

「興味ない」

「パンケーキ？」

「興味ない」

「んーケーキ」

「興味ないって」

「んーもうっ」

なんて机に顔を伏せる私は向き直り

「まじ最近めんどくさいに磨きがかかってる」

高地に話しかける

「女の子切ったから暇なんでしょ」

「まだ前の方がよかった」

高地はそう呟いた私を見ながら

「そう？なんだかんだ京本の相手してるひまり楽しそうだし俺は今の京本の方が好きだけどね」

なんて笑って教科書に視線を戻す
高地の言ったことはきっと正解で
すっかり馴染んだこいつらはもはや私の日常で

楽しいなんて思ってるのは

1番私が分かってるんだ