訳あり (ページ31)

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重なったページ31

どうしても父に会いたくなって

父の眠っているところへと

バスに乗り放課後向かう

父の前に立ちいろんな報告をして一言最後に呟いて

「私思ってたより今楽しいみたい前に進んでるから心配しないで」

笑ってみせた

帰り道バスから降り歩く
慣れたもんだなあこの街も道も分かるようになってきた
早く帰ろうそう思って少し早歩きになると

いきなり雨が降ってきて梅雨時だから持っていてよかったななんて思いながら傘を開いた

少し先に傘も差さずに用紙を見つめて
アパートの前に突っ立っている姿が見える

北斗？

近寄ったときチラッと用紙の文字が見えたんだ

「なにしてんの？」

手に持っていた用紙を隠して私を見る

「お前かよ、てか？なんでいんの？」

「ん？帰るとこ」

「あーそう？気をつけろよ～」

私の頭に手を置いてアパートの階段を登っていく後ろ姿を見て

ジェシーが前言っていた北斗は独り暮らしって言葉とさっきの用紙の文字が頭によぎり
この前までの私に重なって考えるよりも先に口は開いた

「家来たらいーじゃん」