放っておいてくれない ページ19
「どれでも好きなだけいいーよ」
慎太郎がにこにこしながら聞いてくる
この大量のパンから選ばせてくれるらしい
パンを１つとり
「ありがとう」
小銭を出そうとすると
「え？足りないっしょ何個でもいいよ！」
食い気味に言ってくるいや、本当いいんだけどな
「お前じゃねーし
ひまりは女お前みたいに食えねーの
まあでも、もう１つくらいもらっとけば」
なんて北斗が言ったから
近くのパンをもう１つもらった
お金なんかいいよって
慎太郎はにこにこしてパンを頬張る
「犬みたい」
慎太郎を見て笑ってパンを一口頬張ると
慎太郎は顔を真っ赤にして俯いた
え？
「褒めてもないのに照れる？」
「そうじゃないよたまに笑うから嬉しいから」
そう言った慎太郎はにこって笑って
なんでこんな素直なんだろそう思ったら
関わりたくない
関わらないなんて
思ってたけど
もう
関わっちゃってんだもん
「俺のおにぎりもいる？」
ジェシーが覗き込みにこって笑う
「あ、俺のウインナーも美味いよ」
樹がウインナーを差し出して言う
「や、うちの卵焼きも負けてないよ」
高地も笑ってて
全くもう勘弁してよ
大我はふふって笑ってそんな私たちを見ていて
北斗はパンを食べながら横目でチラッと見てまたすぐ目をそらした
どうやらここは
やっぱり
私を放っておいてはくれないみたい
お父さん？
私変われるかな？
なんて空を見上げて思ったりして
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作者名：むぅ
| 作成日時：2017年12月29日 0時
