女子の香り ページ10
深「バスタオルここね
シャンプーとかはなんでも使っていいよみんなそれぞれで適当に使ってるから」
『ありがとう』
深「ねえA?」
脱衣所の扉を閉める手前でふっかはゆっくり振り向いた
深「ここは思ってるより放っておいてくれないから」
そんな真っ直ぐな目で見つめられたら私も逸らさない
『できれば深入りしないで欲しいんだけどな』
笑って言ったけどきっと目は笑えてない
だってふっかにはもう無駄な気がしたんだもん
深「それは無理かな
だってもう一緒に住むわけだし
俺だって他の奴だってみんなAちゃんに興味津々なわけだからね」
『めんどくさいねそれ』
鼻で笑ってみせたのにふっかは優しい目で私を見て笑うんだ
深「他の人とここの奴を一緒にしないでね
俺らはきっと違うから」
『んふふ』
全部負けた気がしてきて
上着を脱ごうと手をかければふっかは声を出して笑ったんだ
深「Aは俺らに出会えてラッキーよ
...それと脱ぐ前に脱衣所鍵かけときなよ〜」
閉められた扉を見つめながら
誰にも求められず産まれた人の気持ちが分かる?
愛してくれる人が誰もいなかった人の気持ちが分かる?
甘えたことのない人の気持ちが分かる?
唇を噛み締めながら雑に服を脱いでお風呂に入ったんだ
やたらと女子力の高いシャンプーの数々に
『女子かよ』
なんて小さな声で呟いた
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作者名:むぅ | 作成日時:2019年8月20日 0時