ネージュに染まれ (ページ34)

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大きなお守りページ34

『待って待って待って本当に休憩お願いお願い』

ラ「ええええもーうっ10分だけね」

『分かった分かったほらこれで飲み物買っておいで』

ラウちゃんに千円札を渡せばホットドッグも買っていい？なんて首をかしげるから秒で許可をした

るんるんで走っていくラウちゃんの後ろ姿に16歳と歳の差をしみじみ感じる

岩「運動不足が素晴らしいね」

『この歳でこんなにアスレチックで遊ぶなんて思わないでしょうよ』

笑いながら隣に腰を下ろすひーくんに寄っかかり目を閉じればひーくんは優しく私の頭を撫でた

岩「突然今日暇だよねとか言い出すからデートの誘いかと思ったんだけどね俺」

『夏休み入って3日間はどうにかこうにか家の中で遊んでくれてたんだけどネタ切れしてさ道連れですね』

岩「手の平で転がされてるわけね」

『ころころよもう。早く終わんないかな夏休み』

岩「自分で言ってたじゃん毎日相手してあげるって」

『ああ、やっぱ言ってたよね忘れてくれないかな』

岩「んふふ。たまには俺の相手もしてもらえます？」

ゆっくり目を開けてひーくんを見上げれば、見るなよなんて笑ってる

『みんなで行くじゃんキャンプ』

わざとみんなでを強調したのは私の意地悪だ

少し長めに息を吸ったひーくんは考えるように言葉を出したんだ

岩「...じゃあふたりで遊ぶ時間作ってくれる？」

少し目を細めてしっかり私の目を見る

あ

だめだよ

君と私は生きる世界違うんだから

だめなの

あのね私のこと絶対に好きになったらだめだよって

言いたいのに口から言葉は出なくて

『考えとくよ』

目を逸らせばラウちゃんが走ってくる姿が見えてホッとしたんだ

君のことをお守りのように使う私を許してねってラウちゃんに微笑んだ