ネージュに染まれ (ページ16)

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安定剤は常備しますページ16

「は？え？今なんつった？」

『シェアハウスしてる』

「は？え？誰が？」

『私』

「誰と？」

『9人の男の人？子？』

「は？」

『いい加減うざい』

揺るがない絶対的な関係は安定剤のように重要

目の前にいる樹は私の安定剤だ

そんな樹は吸い始めた煙草を落とすほどに動揺し

5回は同じ質問を繰り返してる

樹「待ってAが？あのAが？
え、全員とお前まさか身体の関係ありますとか言わないよね？
え？流石に引くよ」

『あんたの思考回路ってそこにしか結びつかないの？
そういうのじゃない、色々あって』

樹「...分かった分かってないけど分かった
どうせはぐらかすんだから分かったもう
俺との関係終わりにするとか言い出すかと思った」

『なんで？』

樹「なんか前とちょっと違うく感じだからそんだけ」

『そんなのじゃないよ』

樹「ならいいや」

樹はそっと私の頭に手を伸ばし髪に指を通しながら笑う

『樹がいなくなるとか冗談きつい』

樹「北斗」

『やだねー』

樹「慎太郎」

『やだー』

樹「きょも」

『やだ』

樹「尻軽」

『ちょっと～』

煙草に火をつけて笑えば樹はまあお互い様だから、なんて悲しい顔で笑うんだ

そんな顔しないで欲しいのに

樹「じゃあ俺バイトだからまた連絡して」

店の外で唇が触れる程度のキスをして樹に手を振れば樹は何回か振り返り笑って手を振り返してくれるんだ

見えなくなるまで見送ってもう一度店の中に入りカウンターに座る人物に声をかけた

『盗み聞きとか趣味が悪い』

「お前がキスしてるのとか俺見てねえけど」

気だるそうに笑う翔太にため息をつきながら笑ってみせた

私は君たちが思ってるより汚いんだよって早めに気づいて欲しかったから丁度いいな