ネージュに染まれ (ページ28)

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守って感情岩本side ページ28

『Aそれどうしたの？』

触れないのが正解だと思ってた

触れてはいけないと

首元に貼られた湿布は前より小さくなっていたけど

でも月に照らされてやたらと目に付いたんだ

「どうしたんだろうね」

俺の目を見て答えたAの答えは答えになってなくて

『彼氏？』

はっきりと口にして聞いてみたんだ

「はっきり聞くね」

Aは俯いて笑う

『はっきり聞いたほうがいいかなって』

覗き込むようにAを見つめればAは俺から目を逸らさずに口を開いたんだ

「彼氏じゃないよ。彼氏はいない」

幻滅した？とでも言いたそうな目をしながら

Aの頬に俺の手がゆっくりと伸びたのはAを守りたいと思ったから

『そっか。ならいいや』

「え？」

『彼氏じゃないならいいやってこと』

「なんで？」

大きな瞳は揺れていて君を守りたいと思う感情が強くなる

『んー秘密』

もっと君に触れてみたい

君のその痕がなくなってから

もっと君と話をしようと思ったんだ

聞いてないふりをした話しをいつか聞ける日が来るように

「ひーくんありがとね」

なんて缶コーヒーを飲み干して笑った君をやっぱり守ってあげたいと思ったんだ