特別 (ページ14)

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突然入口のドアが開く

じょうちゃんがすかさず声をかける

「すいませーん
今日貸し切りなんですー」

見覚えがある
最近よく来る常連さんだ
わりと営業スマイルで対応するせいか
妙に男のお客さんからは好まれる
デートの誘いだってある
毎回毎回断るが

ドアを開けた彼も
近頃やたら絡んで来る

「あーやっぱり無理？」

貸し切りと看板を立てているのに

図々しくドアを開けるような

そんな男のどこに魅力を感じるのだろうか

「すいません
今日は貸し切りなんです」

彼に営業スマイルで声をかける

「えー残念
終わるまで待っとこうかな」

なんて

冗談っぽく笑いながら言う

気持ち悪っ

「いやー
ちょっと今日はー」

もう一度にこっと笑ってやんわり断る

だいぶお酒が入っているのか

「えー
一杯行こうよー」

そう言ってカウンターに寄ってくる

えーもう来る

えー面倒

そんなこと考えてたら

スタスタと奥のテーブルからこちらに寄って来る
カウンター越しに私の目の前に立ち止まると

「すいません
今日俺らの貸し切りなんで
彼女も含めて貸し切りなんで
帰ってもらえます？

ね」