▽ LUV LUV. (ページ8)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:14,634 hit

大倉：灼熱の太陽ページ8

.

暑い暑いと嘆く君の手の中ではアイスがぽたぽたと溶けていってる

勿体ないって横からぺろぺろ舐める君に少し興奮

『あ、そういえば』

アイスがついたベトベトの手でポケットを探れば、出て来たのは白い紙切れ

『おーくらくんに渡してって友達に』

またか
ほんとに迷惑極まりない
Aちゃんかて迷惑被ってんのに

「ごめんなあ、いっつも｣

紙切れを開けばいつものようにご丁寧に電話番号とメールアドレス

聞いてもいないのに個人情報教えてくるんだからプライバシーもくそもないな

ついでにデリカシーもないんじゃないの、この子ら

『大倉くんと仲がいいの私ぐらいでしょ？』

確かに俺は女の子と仲良くするのは苦手な方だ

現にAちゃんしか仲良い子おらんし

『だから皆集まってくるの』

可笑しいでしょ？なんて言って笑うAちゃん

そしてまたアイスをぺろぺろしだした

「ごめんな、なんか俺のせいで｣

『しょうがないよ
大倉くんかっこいいんだもん』

へらへら笑いながらそう言うけど、
俺そんなん言われたら自惚れてまうで？

「こんな紙切れいらん｣

欲しいのは君だけ

▽灼熱の太陽
(ねえ、太陽さん)
(夏の魔法で彼女を僕のものにしてよ)

.