横山：因みにステーキでもない ページ6
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ざわざわと人が溢れんばかりに行き来している今日は夏祭り
「やっぱり人いっぱいやなあ｣
『誰かさんが用意するの遅くなったからでしょ』
「あ？よお言うわ
自分も化粧やなんや言うて遅なってたやんけ｣
ほんまそれ以上可愛なったら食うぞって真っ赤になって言うの
自分で言っといて真っ赤になるの。かわいー
『ねえねえ、綿飴買おうよ』
「俺、あんま好きちゃう｣
『じゃあ食べなきゃいいでしょ』
「りんご飴にしようや｣
『やだ。綿飴気分なの』
「ほんなら間とってたこ焼きにしよ｣
どう間を取ればたこ焼きにたどり着くのか分からないけど、結局は間をとっちゃうわけで
「…あっつ！あっつぅ…｣
『ばぁぁか！』
だから綿飴にしようって言ったのに
『ねえふーふーしてよ』
「あ？｣
『ふーふーして食べさしてよ』
「お前、まじか｣
『なにが』
「ようそんなこと照れんと言えるな｣
なんであんたが恥ずかしがってんのさ
『ほら、早くふーふーして！じゃなきゃ火傷するぞ、私』
「…バカップルか！｣
いいじゃない、バカップルで
君とならバカの最上級のカップルにでもなってやる
頬を赤く染めてほんとにふーふーしてくれてる裕だってさ、そう思ってくれてるんでしょ？
「……はい、あーん｣
『ふふ』
「んやねん｣
『すから始まってきで終わる』
「は？…え、なに？｣
『すから始まってきで終わる感じです、今』
「……え、え…す……すき焼き？｣
『ばかか』
まあいいや
悩んでればいいや
「…すき焼き…じゃなくて、えー｣
そのまま悩んでてよ
ずーっと悩み続けてよ
頭の中私のことでいっぱいにしててよ
▽因みにステーキでもない
(す……き……んー…)
(すきぃ………んー…？)
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作者名：こーぷす | 作成日時：2013年7月29日 14時
