▽ LUV LUV. (ページ26)

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錦戸：なんちってページ26

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深く深呼吸をしてみた。とても気持ちのいい朝だ。多分俺が生まれてから今まで生きてきた人生の中で一番ぐらいの。

鏡の前で決めてみる。白い服が俺には少し眩しすぎて、ちょっと目を細めて照れ笑い。

トントンとドアを叩いた後、はーいと威勢の良い声が聞こえてきて扉を開けた

声も出なかった。
美しいと言うよりはどこか罪のようなものさえも感じるほどだった

『なに固まっちゃってんの！』

緊張してる？って笑いながら彼女はそう言った

純白のドレスに身を包み、ベールを被った彼女に口走ってなにか言った
何を言ったかは、ごめん、覚えてない。
なんか、ほんまに、綺麗すぎて、なんやろ、何て言えばええんかな。

とりあえず、我に帰った時に彼女の頬がほんのりピンク色だったから、そういうようなことを言ったんだろう。覚えてないけど

「もうそろそろ行こか」

『うん』

「なあ」

『ん？』

「ほんまに俺でええの？」

『えー？なに、今更』

今こんな話をするのはなんだが、かなり俺の一方通行な想いだった。
猛アタックを続けに続けてきた。いつだって振られたけど。

そんな俺が今こうやって大好きでたまらない彼女と一緒に愛を誓おうとしている。

彼女のベールをそっと上げた。

『…え、今？』

「リハーサルやん」

今日、俺は彼女と共に新しい人生を歩み出します。
この扉の向こう側の幸せはきっと僕らに微笑みかけてくれるんだろう
そう信じて彼女に口付ける

「…っていう夢を見たんやけど、どうかな」

『死んでこい』

＊なんちって
(あのまま目覚めずに)
(死んでもよかったな)

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