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丸山：世田谷駅ページ25

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なにもかも、うまくいかなくて。
仕事に押し潰されそうで、どうしようもないときは気付いたら彼がそばにいてくれている

それだけで心は落ち着くし、彼にならなんでも話せるし、最高の…友達、だと思うけど

なんだか心がもやもやもやもやするのはどうして？

居酒屋を出て三歩前を歩く彼が、時計を気にしている

私も腕に巻いている時計を見る。12時39分

さっきの居酒屋で私がなんか変なことばっかり言っちゃったから居酒屋出てから一言もしゃべってくれない

それにあんなに飲んでる隆平を見るのも初めてだし。相当怒ってる。確実に怒ってる。

空回ってばっかり。

『ねえ、隆平…』

立ち止まって名前を呼んでみた
それでも彼は止まってくれない
声が小さかったみたい

『っ、隆平！』

んん？って変な声出して振り返る彼に駆け寄る

「なになに、どうしたん」

『……あのね！私ね、口下手だしね、ポンコツだし、何言っても上手く言えなくて、あ、それが口下手か…いや、だからね、隆平のことね一杯傷つけてさ…』

「…なに泣いてんねん」

『泣いてないもん』

スーツの袖で涙を拭う
あーもう、なんなんだろ、全然かっこいいとこ見せれてない。
こんなんじゃ弱いだけの女になっちゃう

『…とにかく、私は、隆平のことが好きだよ、ほんとに大好き！絶対失いたくないし、ずっとそばにいてほしいの』

「…えぇ？」

『ほんっとに！最高の友達だよ！！』

そっちかいって小さな声で呟く彼は優しい笑顔で私を見つめて

「終電過ぎたんですけど？責任とってや？」

そう言ってぎゅっと私を抱き締める

＊世田谷駅
( がたんごとん、がたんごとん )
( 彼をどこへ連れて行くの？ )

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