第8話 ページ9
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◎ぐちつぼside
『ここまで運んでもらって、本当ありがとうございます』
丁寧にお辞儀をするAさん。
「いやいや、こいつん家近いんで大丈夫ですよ」
正直疲れた。
超会議で歩き疲れてるのにフラフラしているたらこを運ぶのはもうやりたくない。
『ぐちつぼさん家ってこの先ですか？』
「ああ、いや来た道戻るんすよ」
俺ん家はたらこん家より手前にあるが、さすがに女性1人でたらこを運ぶのは厳しすぎる。
『えぇ!!...本当にすいません、わざわざ...』
もの凄い申し訳なさそうにしている。
そんな大した距離じゃないから大丈夫なのになあ。
ほんとにたらこの姉ちゃんみたいだな。
「そんな気にしないでくださいよ、それよりAさん家はどっちすか？送りますよ」
少々不躾だったか、いきなり女性に家を聞くなんて...
『私ん家はこの先です、そんな！そこまでお手数をかけるわけには...！』
断られて少し傷ついているのは気のせいだ。
でも、と思いチラッと時計を見ると23:00を回っている。
さすがに、女性1人で夜道を歩かせる方がよっぽど危ない。俺より。
「時間も時間だし、まだちょっと話し足りないので送らせてください」
これじゃただの話したがりじゃないか。
もっとマシな嘘はつけなかったのか。
そう思うと恥ずかしくなりへへっ、と冗談っぽく笑って言えば、
『あはっ、じゃー、すいません、お願いします！』
「了解です！」
快く承諾してくれた。
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気づけばあっという間に、Aさん家に到着する。
『あ、ここです、本当に今日はありがとうございました！』
「いえいえ、こちらこそ。楽しかったっす！」
じゃあ、とAさんが部屋の扉に手をかけたとき、
不意に俺の口からは言葉が零れていた、
「...明日、明日も出るんですよね！」
少し離れたところにいたので、声も大きくなってしまった。
近所迷惑かもしれないな、なんて考えながら。
突然のことでAさんは驚いた表情を浮かべていたが、すぐに笑顔になり、
『...はい！よかったら来てください！待ってます！』
「もちろんです！じゃあ...また！」
『また明日！』
お互いおやすみなさい、と伝えその場を去る。
あのときも感じたが、どこか懐かしい雰囲気の人だったなと考えながら、来た道を戻る。
まさか、同じ香川出身なことも驚いたなぁ。
Aさんに親近感が湧くと共に、興味も湧いてくる。
「また明日...か...」
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くろあ - すごい…！gtさんが昔を思い出すところは泣けた…！！！これからの更新楽しみにしてます！応援させてください！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 008344802c (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - ろとさん» ありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です！亀更新ですがよろしくお願いします！ (2020年9月16日 19時) (レス) id: 81b5ab5178 (このIDを非表示/違反報告)
ろと(プロフ) - すごい面白いです！展開めっちゃ気になります！！更新楽しもにしてます！ (2020年9月13日 16時) (レス) id: 7075e77ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：る | 作成日時：2020年9月5日 0時
