第7話 ページ8
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「たらこと仲良いんすね」
ポロッとぐちつぼさんが呟く。
『そうですか？...あーでも、もう中学から一緒なのかー...』
思い起こせば、長いこと一緒にいる。
まさか大学も同じになるとはお互い想像もしていなかったが。
「そうなんすね、最初彼女さんかと思いました」
『そんなまさか。どちらかと言えば姉弟ですねー』
あはは、と2人の笑い声が夜道に響く。
他愛もない会話をしていると、ふとあることを思い出す。
そういえば、何故あのとき振り返ったのか。
気になるが、何となく聞いていいのかという不安があった。
「...Aさん？どうしたんすか？」
悩ましい顔でもしていたのか、ぐちつぼさんに尋ねられてしまった。
『...あー、いや別に大したことじゃないんですけど、ちょっと、気になることがあって...』
ん？何かありました？と聞き返してくれる。
『...今日手を振ったとき、なーんでこっち振り返ったのかなーって...』
少しヒヨって冗談まじりに聞いてしまった。
「...あぁー、はは、」
『いや！ほんと！大したことじゃないので！答えなくて全然大丈夫です！』
「いやいや！そんなんじゃないっすよ、ただ...」
ただ...、と言ったまま沈黙が流れる。
気になってしまい、ぐちつぼさん？と声をかける。
「...なんとなく、懐かしい感じがして...」
『...へ、へぇ〜...』
自分から質問しておいて、全く興味ないみたいな反応してしまった。
と思っていたら、そのまま続けてぐちつぼさんは話してくれた。
「昔のことなんですけどね、俺もよく覚えてないんすよ」
そう言いながら歳ですかねー、と笑う。
昔のことと聞くと、最近見ていた夢を思い出してしまう。
別に聞かれてもないが、そう考えるより先に口が動いていた。
『...私も最近、昔のことを夢に見るんです。引っ越す前で幼かったので、私もよくは覚えてないんです』
「引っ越す前って、こっちにですか？」
『いえ、大阪に引っ越す前です。その前は香川にいました』
そう伝えると“えっ!?”と、目を丸くしてこちらを向いてきた。
「俺も！香川出身なんですよ！」
『えぇー!?そうなんですか!!ビックリですね!!』
偶然とは凄いものだ。
たらこの友人がまさか同じ出身地なんて。
どこか親近感が湧くようになった。
そうこう話していれば、もうすぐたらこの家。
たらこをベッドに寝かせ、部屋を出て鍵を閉める。
明日も参加するようだが、無事に起きられるのか。
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くろあ - すごい…！gtさんが昔を思い出すところは泣けた…！！！これからの更新楽しみにしてます！応援させてください！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 008344802c (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - ろとさん» ありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です！亀更新ですがよろしくお願いします！ (2020年9月16日 19時) (レス) id: 81b5ab5178 (このIDを非表示/違反報告)
ろと(プロフ) - すごい面白いです！展開めっちゃ気になります！！更新楽しもにしてます！ (2020年9月13日 16時) (レス) id: 7075e77ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：る | 作成日時：2020年9月5日 0時
