第25話 ページ26
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◎たらこside
「わりぃ遅れた」
「ぐっち、たらこより遅いから今度焼肉奢って」
「は?たらこが奢ること一生ねぇじゃん」
今日は限界で配信をするのだが、
ぐちさんが遅れてきた。
まあ、珍しい事じゃないんだけど。
でも次の日のAの様子を見て、昨日の遅刻は
何となく2人に何かあったんだと察してしまった。
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「ねむー」
『おはよ、昨日遅くまで配信してたのによく起きたね』
「はよ、ホント偉いわ」
『当たり前だが』
Aも配信を見てくれることが増えて、
前より限界の話やゲームの話をよくするようになった。
だけど、決まってあの人のことを話題に出すと
上の空で考え事を始める。
「あろえがずっと直してて、」
『うん』
「原人さんは敵船乗り込んでて、」
『うん』
「そしたらぐちさんが____」
『うん』
「ぐちさんと何かあったでしょ」
『うん...えっ!?』
慌てて俺の方を見てくる。わかりやす。
否定すればするほど怪しく見える。
『別に!何も無いって!』
「俺にも話せないことなの?」
『いや...そういう訳じゃ、』
Aはこの手の駆け引きが引くほど下手だ。
付き合いもそこそこ長いのだから学んで欲しいものだ。
『...ビックリするからね!ホントにすごいの!』
「うん」
『前に話した幼なじみの人なんだけど、』
真剣な表情で、溜めに溜めて話している。
この後の展開焼きパンでも分かりそうだな。
『その人ぐちつぼさんだったの!!』
「へぇー」
『ええぇぇ!?それだけ!?』
拍子抜けした顔をしているA。
絶対驚くと思ったのにー、といじけているようだ。
「同じ出身地だし、幼なじみの話題出した時点で
何となく気づくでしょ」
『そうかもしんないけどさー』
「でも、何でいきなりぐちさんが幼なじみって分かったの?」
昨日何かあったに違いない。
Aは昨日の出来事を嬉しそうに話してくれた。
「じゃー、俺のおかげってことか」
『腑に落ちないけど、まあそうかも』
言及しないけど、ぐちさんAにハグしてね?
やってんな、あの人。
『なんか正夢みたい』
確かに、前に夢に見た幼なじみが
今になって現れるなんて、漫画じゃん。
「Aは念願の幼なじみに会えてよかった?」
『うん、むしろ忘れててごめんって感じかな』
笑って話すA。
その顔を見てると、やっぱり俺じゃないなって思ってしまった。
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くろあ - すごい…!gtさんが昔を思い出すところは泣けた…!!!これからの更新楽しみにしてます!応援させてください! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 008344802c (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - ろとさん» ありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です!亀更新ですがよろしくお願いします! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 81b5ab5178 (このIDを非表示/違反報告)
ろと(プロフ) - すごい面白いです!展開めっちゃ気になります!!更新楽しもにしてます! (2020年9月13日 16時) (レス) id: 7075e77ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:る | 作成日時:2020年9月5日 0時