第23話 ページ24
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『ホントのホントにぐっち!?』
「ここで嘘ついてどうすんだよ」
『よく私のこと置いて行ったぐっち!?』
「そうだよ」
『アイス分けっこしてたぐっち!?』
「そうだよ」
『引っ越すときわんわん泣いてたぐっち!?』
「やめろぉぉおお!!!」
頭を抱えて暴れ出すぐっち。
本当にぐっちなんだ...
忘れかけていた幼なじみが、
こんな傍にいただなんて。
そう思うだけで、さっきまでの涙が溢れだしてくる。
「お、おい...何で泣いてんの」
その様子を見て慌てふためいている。
さっきから暴れたり慌てたり、忙しい人だな。
すると、どこかからお腹の音が。
涙を拭い前を向くと、恥ずかしそうにそっぽを向く姿が。
『...ぐっち？』
「...俺じゃない」
『ご飯は？』
「食べてない」
ボソボソと話していたが、
食べていないと聞いて嬉しく思った。
ぐっちの手を引き、家の扉を開ける。
「ちょ、おい！」
『今日はカレーだよ！』
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「カレーうめぇー！」
相当お腹が空いていたのか、ガツガツと食べ進める。
その姿は昔と何一つ変わらない様子だった。
「何かこのカレーも懐かしい味すんな、」
『懐かしい味？』
私の家は共働きで、日中はいつも隣接しているおばあちゃん家にいることが多かった。
学校が終わるとすぐに、近所に住むぐっちと遊びに行き、日が暮れるまで遊んでいた。
お腹を空かせて帰ると、おばあちゃん家からはいつも美味しそうな匂いが漂う。
ぐっちと2人でおばあちゃん家に行き、一緒にご飯を食べることが多かった。
このカレーはおばあちゃんから教わったものである。
2人にとっては、思い出の味だった。
「そりゃ懐かしいって感じるわ」
『昔よく一緒に食べたよねー』
「ばあちゃん元気にしてっか？」
『うん！元気だよ！』
「また会いてぇな」
『今度行こっか』
カレーを頬張りながらのんびり話す。
まるで、あの時が戻ってきたかのように。
近くの駄菓子屋で少ないお小遣いを握りしめて買うラムネ。
泥んこのまま、追いかけっこをした帰り道。
引っ越しのことをなかなか言えずに去ってしまったこと。
別れ際に渡した2つの贈り物。
十何年前のことを昨日のことのように語り出す。
今まで霞んでいた思い出が、突然色付いたように。
それは私だけでなく、ぐっちも同じように語り出す。
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くろあ - すごい…！gtさんが昔を思い出すところは泣けた…！！！これからの更新楽しみにしてます！応援させてください！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 008344802c (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - ろとさん» ありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です！亀更新ですがよろしくお願いします！ (2020年9月16日 19時) (レス) id: 81b5ab5178 (このIDを非表示/違反報告)
ろと(プロフ) - すごい面白いです！展開めっちゃ気になります！！更新楽しもにしてます！ (2020年9月13日 16時) (レス) id: 7075e77ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：る | 作成日時：2020年9月5日 0時
