第20話 ページ21
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◎ぐちつぼside
「...どうって言われても」
たらこの友達としか言い様がないはずなのに
と思いつつ、何故か言葉に詰まる。
しばらく沈黙していると
「...やっぱいいや、ごめん気にしないで」
諦めたのか気を使ってくれたのか、
あろえはまた視線を前に向ける。
てか今の状況で気にするなって言われても
普通気になるだろ!?
かと言ってもう一度話題を掘り返すのも気が引ける。
「ぐちさん早く開けてー」
気づけば俺の家に着いていた。
あろえの質問に対してモヤモヤを抱えると共に、
『ぐちつぼさん?』
一体Aさんのことをどう思っているのか、
否が応でも考えてしまっている自分がいる。
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「じゃー俺ら帰るわー」
たらこは、荷物をまとめ帰りの身支度を整えている。
その隣でAさんも帰りの身支度を。
『今日は本当にありがとうございました!
すごく楽しかったです!』
丁寧に頭を下げてお礼を述べてくれる。
「こちらこそ、いきなり誘ったのにありがとうございました!」
もとはといえばたらこが誘ったんだがな。
「Aさん今度は撮影とかじゃなくても、普通に遊ぼうねー」
あろさん!?今こいつナチュラルに次の予定をぶっ込んでねぇか!?
目を見開いてあろえの方を見ていると、
なに?とでも言いそうなキョトン顔で俺を見る。
『いいんですか!是非!遊んでください!』
「じゃーねー」
そう言い残し、2人は部屋を出る。
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「俺が普通に遊んじゃダメなんですかー」
俺が食べ終わったお菓子のゴミなどの片付けを
していると、後ろから声が聞こえてくる。
「別に何も言ってねぇだろ」
あろえは今日俺ん家に泊まることになっている。
宿泊代取るぞ。
「明らかに“うわっ、こいつ”みたいな顔したじゃん」
「陰キャのくせして頑張ってんなーって思っただけだよ」
「じゃあ、誘えなかったぐっちは俺以上の大陰キャってことか」
よし、そこ座れ。戦争だ。
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カチカチと音が響く。
先に口を開いたのはあろえだった。
「で、どう思ってんの」
「何が?」
「Aさんのこと」
「唐突だな」
「話終わってなかったから」
よし落とせたー、あろえラス1か。
「おい、黙るな」
「わかんねぇよ」
「は?」
「わかんないって言ってんの」
「どう思ってるか?」
その途端、お互い黙り出す。
「...ちゃんと考えてあげて、ぐっちにしか
できないことだってあるんだから」
「は?」
俺はこの意味を理解できなかった。
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くろあ - すごい…!gtさんが昔を思い出すところは泣けた…!!!これからの更新楽しみにしてます!応援させてください! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 008344802c (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - ろとさん» ありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です!亀更新ですがよろしくお願いします! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 81b5ab5178 (このIDを非表示/違反報告)
ろと(プロフ) - すごい面白いです!展開めっちゃ気になります!!更新楽しもにしてます! (2020年9月13日 16時) (レス) id: 7075e77ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:る | 作成日時:2020年9月5日 0時