第13話 ページ14
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「ねえ、ぐっちー?聞いてる?」
あろえさんが先程からぐちつぼさんを呼んでいる。
ぐちつぼさんは沈黙のまま。
たらこが変なことを言ったせいだ。
『たらこ私行かないよ、』
「え?なんでよ」
『そりゃいきなり言われればぐちつぼさんだって迷惑でしょ』
「大丈夫だよ、ねえぐちさん?」
何の自信だよ。
すると今まで静かだったぐちつぼさんが口を開いた。
「いや、」
ほら、“嫌”って。
...そこまで面と向かって言われると、さすがに...
「いや、全然いいっすよ」
『...へ?』
「もちろん、Aさんさえよければ...」
「ほら言ったじゃん」
『たらこうるさい』
「ねえぐっち俺の話聞いてた?」
頭が混乱する。
色んな会話が飛び交っている。
「で?A行くの?行かないの?」
『い、行きます!すいません!お邪魔します!』
「はい決まりー」
ここで断ったら、ぐちつぼさんの厚意を無下にしてしまう。
もちろん断る理由も無いのだが。
「じゃ、おつかれー」
言うだけ言ってサラッと抜けるたらこ。
あとでシバいたろかあいつ。
『...ぐちつぼさん、たらこがいきなりすいません...』
「いやいや!Aさん本当に来てくれるんですか?」
『むしろ、行ってもいいんですか...?』
「俺ん家なんかで良ければですけど、」
『いやいや!そんな!ありがとうございます、』
「じゃ、今週末また。」
『はい、また。お疲れ様です』
私は通話を抜ける。
あ...そういえば、あろえさん。
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次の日、たらこを迎えに家まで行く。
丁度よくたらこが家から出てきた。
「うお、いたんだ。おはよー」
『...おはよ』
「なに、怒ってんの?」
『何であんなことしたの、ありがとう』
「どっちなんだよ」
いつものようにグダグダ話しながら学校へ向かう。
『で、本音は?』
「何が?」
『誘った理由』
「なんとなく」
『何それ嘘だ』
「てかA、超会議の帰りのこと覚えてる?」
『は?今それどころじゃないでしょ』
「ぐちさんにダル絡みしてたの覚えてないの?」
『...ガチ?』
「あーあ、謝ってないんだーAってそんな人なんだねー」
『え、まってまって!!嘘!?私そんなことしてたの!?』
「ホントに覚えてないんだね」
『え!?何してたの私!!ねえ!!』
「ほーら、遅刻するー!急げー!」
『ちょ、たらこ!待って!』
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くろあ - すごい…!gtさんが昔を思い出すところは泣けた…!!!これからの更新楽しみにしてます!応援させてください! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 008344802c (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - ろとさん» ありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です!亀更新ですがよろしくお願いします! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 81b5ab5178 (このIDを非表示/違反報告)
ろと(プロフ) - すごい面白いです!展開めっちゃ気になります!!更新楽しもにしてます! (2020年9月13日 16時) (レス) id: 7075e77ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:る | 作成日時:2020年9月5日 0時