第1話 ページ2
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『______っ！まって！！』
「おいてくぞー！！」
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「ん、はんぶんこな！」
『ありがと！！』
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「...どこ、いくんだよ、まって...！Aっ！」
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「A？おーい、聞いてた？」
『...ぁ、ん？うん、聞いてた聞いてた』
「絶対聞いてなかったろ、顔めっちゃブスだったよ」
『は？梅ねりとるぞ』
うそうそ！ゴメンってば！なんて、人をからかうのは友人のたらこ。
彼とは中学から一緒で、気づけば大学まで同じだった。お互い一人暮らし仲間ということもあり、助け合っている貴重な友人だ。
「それで？何考えてたの？」
ん？と聞き返すと、
「さっき。ぼけーっとしてたじゃん、またダンスのこと？」
彼の言う“ダンスのこと”とは、私が踊り手として活動していることを指す。
たらこは大学内で唯一、私が踊り手として活動していることを知っている。
『...うん、まあ、そんなとこ』
特に否定をするのも面倒くさいと感じ、何となくで肯定する。
「...ふーん。まあ、もうすぐだもんね、超会議」
去年、初めて出演者側として呼んでもらい、今年もありがたいことに踊り手として呼んでもらえた。
たらこは去年踊ってみたブースまで見に来てくれたが、タイミングが悪く私が踊り終えた後に到着したらしい。
「今年は見れるといいなー」
『出る時間わかったら、また連絡するから』
「よろしくー。俺らもフラフラ回ってるからさ、」
“俺ら”とは、彼がいつも遊んでいる友人のことを言っている。“限界”と言われているらしい。
「去年はさー、見逃しちゃうから急ごうって言ってんのに──」
頬杖をつきながら、たらこの話を聞き流す。
私は最近よく見る夢の内容を思い出していた。
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幼い時の夢。誰かと仲良さげに過ごしている。
正直、その人の顔も名前もあまり覚えていない。
たまに、ぼんやりとその人のことを考えてしまう。
どんな人だったのか、今は何をしているのか、
今思えば、あの人は幼なじみだったのかもしれない。
幼なじみを忘れてしまうなんて、と申し訳ない気持ちもあるが、どうせ向こうも自分のことは覚えていないだろうと都合のいい解釈をしてしまう。
...ただ何となく、私にとって大切な存在なのではないかと思っている。
「──それで...ねえ、また聞いてなi...」
『幼なじみってさ、覚えてる？』
たらこの話をぶった斬って、口からはそんな言葉が漏れていた。
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くろあ - すごい…！gtさんが昔を思い出すところは泣けた…！！！これからの更新楽しみにしてます！応援させてください！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 008344802c (このIDを非表示/違反報告)
る(プロフ) - ろとさん» ありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です！亀更新ですがよろしくお願いします！ (2020年9月16日 19時) (レス) id: 81b5ab5178 (このIDを非表示/違反報告)
ろと(プロフ) - すごい面白いです！展開めっちゃ気になります！！更新楽しもにしてます！ (2020年9月13日 16時) (レス) id: 7075e77ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：る | 作成日時：2020年9月5日 0時
