【HQ】胡散臭さに夢を見る (ページ15)

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Dream 15 ページ15

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「阿川Aと申します。本日からよろしくお願いいたします」

「JVAの佐藤です。こちらこそよろしくお願いします」

日本代表合宿初日。

沖縄に着いてから現地の体育館まで移動して、すぐさま始まった練習。

初めて合宿に参加するということで、贅沢にもJVAの密着カメラの横で佐藤さんから様々な説明を受けながら練習を見学させていただいくことになった。

「これから機械を使ってレシーブ練習ですね」

「機械を使うんですね…！」

佐藤さんが指差す先には、人の身長よりも高く大きな機械が準備されていた。

その機械から豪速球のサーブが打たれ、コート内にいる選手全員がそのボールをAパスで返していく。

やはり。妖怪世代と言われるまである。
それぞれ役割があって得意分野もあるかもしれないが、レセプションひとつでも全員の選手が高レベルだ。

みんなが強い。

そんな漠然としたイメージは間違いではなかったが、試合では見られない選手の姿はとても新鮮で、選手一人ひとりの違いがより鮮明に感じられる。

同じリベロである夜久選手と古森選手でも、ボールが来るまでの構え方やボールの勢いの受け止め方が違う。

「夜久選手は安定的かつ正確で、古森選手は次に繋がる滑らかさ、と」

記事を書くために用意したメモにペンを走らせる。

木兎選手は直感に従いつつもセンスのある技術力、牛島選手は力強いスパイクとは裏腹に丁寧で優しいレシーブ。

日向選手は持ち前の反応の速さに加えて培ってきたバランスの良さ、星海選手は器用さと卓絶の体幹コントロール力。

目の前で見た選手の姿をそのまま言葉に残していく。

休憩時間に入るころには、真っ白だったメモは大部分が黒色に染まっていた。