検索窓
今日:30 hit、昨日:3 hit、合計:176,259 hit

episode 8 ページ8

.




それから3人列車つなぎで歩き続けなんとか山頂に着いた。






「男子の人数確認してくるから女子の方頼んでいい?」

「…うん、わかった」







ひもを掴んで歩いたにも関わらず呼吸が少し荒く
逆に掴まれていた側は私に指示を出すぐらい余裕そう。

………さすが現役バレー部。







「やっぱいい。俺が女子の分もしとくから」

「えっ、」





なんで、という言葉が首に感じる冷たさによって阻止される。





「これでも飲んで休憩してて」





もちろん冷たさは赤葦くんの仕業で
首から離れたそれは私の手に移る。






「私飲み物ぐらいもってるよ」

「そんなこと言わずに遠慮せずもらっておいて。
凍らせて持ってきたやつだし冷たくていいでしょ」






手から伝わる冷たさが確かに火照った身体に気持ちよくて
自分が思ったよりも疲れていることを気づく。


クラスの人数を確認し始めた後ろ姿に逆らえないまま黙って貰ったペットボトルに口をつける。


………あの人また観察力使ったな。






よく考えれば彼特有の観察力に
まだお礼を言ったことはない。

………さすがに前回と今回のは言うべきだったよね。





佐藤先生に人数確認の報告をしている赤葦くんを横目に沙羅を呼ぶ。






「ちょっとホームルーム委員でこれからのこと話さなきゃだから
お昼奈々たちと食べてて」

「うんわかった!

山頂での昼休憩なんて滅多にないのに仕事なんて大変だね」








赤葦くんと仲良くね、なんて余計な一言を貰ってから相方の方へ急ぐと




「え、何。以心伝心?」



自ら赤葦くんのとこに来た私を見て
そう真顔で返される。







「……は?」

「いや、ちょうど今阿川さんとこ行こうと思ってたし。
はい、これ今日の野外炊事体験のやつ。


ちょっと今から打ち合わせいい?」







沙羅には適当に理由を述べたもののそれが現実になるとは。

お礼を言ってからは少しひとりの時間を楽しもうかと思ったのに。





「うん、わかった」





一応、笑顔で返事しておいた。

episode 9→←episode 7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (146 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
341人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治 , HQ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - カルマさん» ありがとうございます!コメント嬉しいです!頑張りますっ......! (2020年6月19日 23時) (レス) id: 48fe9f4fbb (このIDを非表示/違反報告)
カルマ - この作品大好きです!完結まで頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 7ca463c807 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年5月2日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。