episode 37 ページ40
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｢……どうして1人で無理するのっ、
こんななるなら何で私の代わりに責任者なんかなったのっ、｣
体力的に限界な赤葦くんに対して言葉で責めて
精神的にも追い詰めるなんて間違ってる。
頭ではそうわかっているのに
自分のせいでこうなった赤葦くんを見ると辛くて、苦しくて。
｢こんな優しさ間違ってるっ、無理するぐらいなら代わらないでよ、
自分を無視してまで頑張るなんてそんなの自己満だし
自己満に人を巻き込まないで｣
言葉で苦しさを紛らわせる我儘な自分に対して
何一つ文句を言わず黙ったままの赤葦くん。
体調崩すまで頑張ったにも関わらずそれを否定されるなんて
嫌でも腹立つに決まってるのに。
困ったように笑って口を閉じたままの彼の様子が
今の私と赤葦くんの関係を示しているようで
余計に苦しい。
嫌だよ。
私を受け止めるだけの器のような赤葦くんなんて。
｢…っ、なんで、何も言わないの？｣
｢…Aの言ってることは正しいから、｣
人の優しさを間違いだ、自己満だ、なんて言う私が、正しい？
そうやって、私の言うこと全部受け止めるつもりなの？
私の言葉に傷ついてるくせに、無理して笑う赤葦くんなんて、
｢……嫌い、大っ嫌いっ、｣
私の隣で苦しそうな赤葦くんなんて、大っ嫌い。
｢……嫌いな俺に言われるのは嫌かもしれないけど、
ごめん。これだけは言わせて。
俺は、心配して怒ってくれるAのことが好きだよ｣
________ 『……ほんっと、そういうところが好きなんだよね』
やめて。
酷いことをたくさん言った私に優しく笑いかけないでよ。
｢…俺が体調悪いって気づいたのAだけ。
人の変化に敏感なところもほんと好き。
ちょっと不謹慎かもしれないけど
気遣って人に文句さえ言えなかったAが
俺に本気で怒ってくれたのが嬉しいよ。
おかげで元気でた。
ありがとう。
………最後まで頑張るから、もう少しだけ俺の自己満に付き合って｣
鋭いけど優しい瞳が私をとらえると
大きくて熱い手が伸びてきて零れそうになった涙を拭う。
鮮明になった視界に映るのは
ハチマキを持って図書室を出ていこうとする後ろ姿。
｢…意味わかんないしっ、ばか｣
これだから、赤葦くんの隣は居心地よくて苦しい。
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倫(プロフ) - カルマさん» ありがとうございます！コメント嬉しいです！頑張りますっ......！ (2020年6月19日 23時) (
レス) id: 48fe9f4fbb (このIDを非表示/違反報告)
カルマ - この作品大好きです!完結まで頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 7ca463c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倫 | 作成日時：2020年5月2日 0時
