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episode 33 ページ36

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さらに日にちは立って体育祭まであと3日。

やはり沙羅の言った通り赤葦くんは木兎先輩に呼ばれると
いつも30分後ぐらいに戻ってきていた。

そして私の気のせいかもしれないけど
毎回帰ってきた彼は少し前髪が濡れているように見えた。

たしかに最近気温は上がってきているし
汗をかいてもおかしくはないのだけど
ただ話すだけでそんなに汗ばむものかとも思うのだ。



…まさか、と勘づいていることは1つあるのだが
何せ皆が準備に参加している今2人になる機会などなく
赤葦くんに聞きたいことは聞けず仕舞いなのである。



2人にならないと私は赤葦くんに本音は言えない。




例のごとく今日も教室は人がいっぱいで
赤葦くんも山車の仕上げに忙しそう。


教室の入り口付近で自分も託された仕事をしながら
そろそろだ、と横目で廊下の方を見る。



予想した通り、そこには木兎先輩の姿。





「あかーーs「はい、今行きます木兎さん」





名前を呼ばれる前に返事をしてしまった赤葦くんは
道具を置いて木兎先輩の方へ歩き出す。



今しかチャンスはない。

木兎さんが私に気づいて
Aだ!と声をかけてくれているが気にしない。







「あ、赤葦くん、」


「ん?何?どうしたの」


「む、無理は禁物だからね!」







たった一言だけど推測力に長けた赤葦くんなら
理解してくれるだろう。私の言いたいこと。

急に言われた言葉に一瞬驚きを見せたけれど
すぐに優しい笑顔でわかったと言ってくれた。







「A!俺は無理してないぞ!」

「はいはい。木兎さん行きますよ」








相変わらず元気な様子の木兎先輩の手を引きながら
教室を出ていく。


2人の後を追うように視線を廊下の方に移すと
木兎先輩と目が合う。






「あ!ちょっと悪い赤葦!先行ってろ!」





少し離れていたがそう言う声ははっきりと聞こえて
再び私のもとへ戻ってくる木兎先輩。

後ろの方に見える赤葦くんは溜息をついてるように見えた。





「A!ちょっと耳かせ」


「え、何ですか急に」


「いいから!」


「…はい」





素直に木兎先輩の方へ耳を傾ける。






「Aだったんだな、お姫様抱っこ」






傾けた先から聞こえてきたのは予想外の言葉。

一瞬何のことかわからなかったが処理が追いついたころには
満面の笑みが私を見ていて。






「がんばれよ!A!」






謎の応援を残して木兎先輩は走り去っていった。

……どういうこと?

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(プロフ) - カルマさん» ありがとうございます!コメント嬉しいです!頑張りますっ......! (2020年6月19日 23時) (レス) id: 48fe9f4fbb (このIDを非表示/違反報告)
カルマ - この作品大好きです!完結まで頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 7ca463c807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月2日 0時

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