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episode 25 ページ27

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先程の笑顔から観察力を使用し責任者となったと思われる相方は
やはり恐ろしい。


ひと通り話の段階がついたところで
また私の元へやってきた団長を見て笑っている。





「阿川さん同じクラスだし赤葦くんのサポートお願いね!」




強化指定部でもあるバレー部を責任者にしてしまった罪は重いのか、強めにそう言ってきた。

昨日私は隣の奴に"構わないで"と言ったばかりだというのに。







「……今回は俺が迷惑かけたみたいだね」







ここまで推測していたというのか。
何だその余裕そうな顔は。

サポート、つまり"補う"。

赤葦くんが私を気にかけるのとは真逆の体制が成り立とうとしている。

でも圧の強い団長目の前に拒否などできるわけもなく。






「……は、はい。精一杯ガンバリマス」






木兎先輩曰く貼り付けた笑顔で返事をすれば
安堵した顔で委員会の終わりを告げた。


思い通りになりました、とでも言ってるかのような隣の笑顔が末恐ろしい。




「一緒にガンバロウネ」




だけど昨日この人の前で"八方美人に構うな"
つまり、"八方美人を崩そうとするな"と言ったばかりでもある。


そう簡単に崩されるわけにはいかない。





「……ふっ。

あ、そういえば明日席替えだけど
阿川さんは後ろの席がいいなとかあるの?」






鼻で笑われたが気にしない……のは無理だ。
正直言ってこの人の言動に溜め息が出そうである。







「特にないよ。私はどこでもいいかな」


「……へぇー」





嘘つきを見るような目で笑う赤葦京治。
あぁ、ダメだ。
苦手な笑顔を見てから赤葦くんに対し
ずっと心の中で毒を吐いている気がする。





「てっきり後ろの席派かと思ってたんだけどな」





探りを入れるような言い方をしてくるこの人が悪い。

昨日注意喚起したにも関わらず無視してくる言動に
またこう思わされる。






赤葦くんは一般の摂理に従わない例外だった、と。







なら、何で昨日黙ったまま私の話を聞いていたの?
昨日の今日でどういった心変わりぶりなの?




じゃあね、と言って部活に向かった憎たらしい背中を見てもやっぱり答えはわからなかった。








.









次の日。朝。




「希望通り1番後ろの席でよかったね、阿川さん」

「…はは、また私の前の席なんだね。

赤葦くん?」




………立場利用して絶対操作したな、この人。

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(プロフ) - カルマさん» ありがとうございます!コメント嬉しいです!頑張りますっ......! (2020年6月19日 23時) (レス) id: 48fe9f4fbb (このIDを非表示/違反報告)
カルマ - この作品大好きです!完結まで頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 7ca463c807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月2日 0時

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