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episode 15 ページ16

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そうであると言い聞かせたいのにそうでないと否定したい。


数日前と似たような矛盾した気持ちが私の口を動かす。



「…ごめん、ちょっと保健室行ってくる」



制服姿であろうと
どうやらまだ私は赤葦くんから背を向けたいらしい。



付き添おうとする沙羅を止め
先生に言っといてと奈々に告げてから教室を出る。




もうすぐ予鈴がなる時間で
廊下にいる人はほとんどいない。

教室を離れ静かな空間に来た途端
頭も冷静になってきて自分の中で生じた異変に気づく。



"誤解を解くため"なんて表面上だ、と。



実際は"ホームルーム委員"という名の縛りがあったからだって
自分を納得させたいのだ、と。





「……ジャージ?」





少し下を向きながら足を進めると視界に入ってきたのは白い上着。

手に取ってみると背中に黄色で"FUKURODANI"と書かれていて。





「たしかこれ、バレー部の」





部活着だ。
思い出すのは1人しかいなくて妙に冷静になった頭はまた気づく。



部活着をきた赤葦くんは"縛り"なんか気にする人じゃないって
自分が思い込みたいのだ、と。


矛盾した自分の思いがまた頭を刺激していく。

誰もいないが故、少し座り込んでもいいだろうと腰を下ろしたその時。




「あっれ、俺どこで落としたかな……って、え!!!

大丈夫かぁ!?」





頭上から聞こえたのは大きくて威勢のいい声。




「どうしたこんなとこに座って!
具合悪いのか?!」





声のする方に顔を上げれば
そこにいたのは赤葦くんと同じくらい有名な人。

バレー部のエース。





「………あぁ!お、おまえ!!」




その人は私と視線が絡むと特徴的なデカい声をさらに大きくして
驚いた顔をする。


……………驚きたいのはこっちなんですけど、木兎光太郎さん。



なせあなたがここに。

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(プロフ) - カルマさん» ありがとうございます!コメント嬉しいです!頑張りますっ......! (2020年6月19日 23時) (レス) id: 48fe9f4fbb (このIDを非表示/違反報告)
カルマ - この作品大好きです!完結まで頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 7ca463c807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月2日 0時

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