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episode 14 ページ15

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「A!大丈夫?!」

「おはよう沙羅、大丈夫だよ」



2日ぶりに学校で『友達』の前に姿を現せば
心配の声をかけられる。

そして何となく感じる周りからの視線。

これは一旦知らないフリをするのが得策なのかな。





「あ、そういえば私が倒れたあと対応してくれたの誰だったの?」

「え、A声でか。
ほんとに元気になったみたいだね。

赤葦くんだよ。
Aを救護室まで運んでくれたの」

「しかもお姫様抱っこ!!!!」




沙羅の隣にいた奈々からの言葉は
やっぱり自分の記憶と一致するものだった。

………沙羅の言葉はちょっと予想外だったけど
これが異様に向けられる視線の原因なのだろう。






「そうなんだ。
あとでお礼言わなきゃ」

「A、驚かないの?!」

「……沙羅、Aはあなたとは違って
どう助けてくれたかなんて気にしないの」

「だ、だって、お姫様抱っこだよ?!」




まるで自分が当事者であるかのように
顔を少し赤くさせて私を見る沙羅。

期待に満ちたその目は絶対何か勝手に勘違いしてる。

まぁいい。どうせ勘違いしてるのは沙羅だけじゃない。

周りにいる人達もきっとそう。





「沙羅、赤葦くんはただ親切心で助けてくれただけだよ。

お互いホームルーム委員だから少しは話したりする仲だったし」

「えぇー、そうかな」

「そうだよ。
赤葦くんが人気なのはそういうところだと思うし」




奈々が納得のいっていない顔をする沙羅を宥めるものの
表情は変わらずそれに教室や廊下にいるほとんどの人は
私たちの会話に耳を澄ましている。


それらには嫌気がさすけれど誤解を解くには都合良い。





「あのね、林間学校中ホームルーム委員は仕事があったしお互い相手を気にかけるようにしてたの。
だから赤葦くんが助けてくれたのは
沙羅が思うような理由のせいじゃないよ」





『私』の言い分につまらなさそうな顔をする沙羅も
周りの反応もどうでもいい。


面倒くさくなる前に誤解さえ解ければよかった。


でも、あれ?

……………ほんとに、それだけ?







「あ、赤葦おはよー!」







タイミング、というのは
神か誰かが操っているのだろうか。



自分の中で何かに引っかかったのと同時に
姿を現す"親切"な人気者。



制服姿の赤葦くんに胸騒ぎがして
さっき自分が沙羅や周りに言った言葉が頭の中を駆け巡る。


そして、何故か今、こう思う自分がいる。


部活着の赤葦くんはそうじゃない、と。

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(プロフ) - カルマさん» ありがとうございます!コメント嬉しいです!頑張りますっ......! (2020年6月19日 23時) (レス) id: 48fe9f4fbb (このIDを非表示/違反報告)
カルマ - この作品大好きです!完結まで頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 7ca463c807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月2日 0時

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