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episode 2 ページ2

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新しい教室。新しい担任。
新しいクラスメイト。


学校という名の環境の大部分が一変するのは
かなり苦痛であろう。


だからこそ、ほとんどが去年同じクラスだった人と固まるのは
ごく自然なこと。


………なのだが。







「あ、元2組の阿川さんだよね」








その摂理に従わない例外は
私が新しい席につくと同時に話しかけてきた。








「君は、元6組の赤葦くん、で合ってるかな?」

「クラス結構離れてるのによく知ってるね」

「いや、それ君もね」








しかも、彼は同学年の中でも有名な人。
2年になったばかりだというのにバレー部の副主将になったとか。

先輩からの信頼も厚い上に背が高くて頭もよく顔もよし。

かなりのハイスペックぶりで女子からの人気は著しい。

"赤葦京治"という名を知らない梟谷学園の生徒は
たぶんいない。





「席前後だしこれから1年間よろしくね、阿川Aさん」

「こちらこそよろしくね、赤葦京治くん」





席が近いってだけで話しかけてくる(しかも異性に)人気者と軽く挨拶を交わして
自然の摂理に従いたい私はその場を離れるつもり、だった。







「阿川さんって、かなりの八方美人だよね」








その言葉が私の足を止めた。







「………え?」

「あれ、違ったかな」

「初対面でそんなこと言われたの初めて」

「俺も初めて言ったよ」

「………"八方美人"って褒め言葉?」







女子のほとんどがかっこいいと言うけれど私は苦手だ。



その少し鋭い目。







「……さぁね。Aさんの解釈次第、かな」







"八方美人"




何だか今の自分にぴったりすぎる言葉な気がして
私の乾いた笑いが二人の間で宙を舞う。





「私、言われたことは素直に受け止める派なんだよね。

良いことでも悪いことでも」

「………へぇ」







含みのある艶やかな笑みも苦手だ。
まだ知り合って数分なのに何だろう。

『私』を突き破られそうなこの感じ。







「今回は良いこととして解釈しとくよ」








そんな相手にこそ『私』で立ち向かうしかないよね。

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(プロフ) - カルマさん» ありがとうございます!コメント嬉しいです!頑張りますっ......! (2020年6月19日 23時) (レス) id: 48fe9f4fbb (このIDを非表示/違反報告)
カルマ - この作品大好きです!完結まで頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 7ca463c807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月2日 0時

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