稀血のペットになりました。

＊ ページ12

『もうお嫁に行けない…』

ぼそり、と呟く。

全部見られてしまった。なにもかも。

しかも、頭からつま先まで…

全てをご主人様に洗ってもらったのだ。

思い出すだけで恥ずかしい。穴があれば是非とも入りたい。

それにしても、ご主人様の手つきは以外と優しかった。
正直、もっと乱暴にされると思ってたのだが…

なんでも、弟や妹を思い出す、とボソリと呟いてが…

詳しく聞こうと思ったが、悲しそうな表情をしていたのでやめておいた。

鬼殺隊に入ってるということはそういうことなのだろう。ご兄弟は、もう…。

もしかして、私は妹みたいに思われてる…？

そう思うとこうやってお世話を焼きたがる？のも腑に落ちる。

けど、

(妹扱いは、嫌だなあ)

なんとなく心がチクリと傷んだ。

「おい、きィてんのかぁ？」

お風呂での出来事を思い出していると、いつの間にか話しかけられていたみたいで、

「嫁にいけねェっつーなら俺が貰ってやる。」

(さっきの聞かれてた！？)って

『はぇ？』

今この人なんて？？？嫁に貰う？？？

頭が追いつかない…。

けれども、

(嬉しい、かも)

そう思いながらこくりと頷いた。

いつのまにかさっきのチクチクは収まったようだった。

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