稀血のペットになりました。

＊ ページ31

「目ェ瞑ってじっとしてろォ。」

言われた通りに目を閉じると、頭にチクリ、とした痛みが走る。何かを刺されたようだ。

何をしたんですか、と問いかけても

「帰るまで秘密だァ。」

とはぐらかされてしまう。

痛みのしたほうへ手を伸ばしてみると、固い何かが手にあたる。

さらに、歩き始めると、頭からシャラシャラと音がなる。

考えられるとしたら髪飾りのような物だろう。

まさかさっき見ていた簪だろうか…。でも見つめていたというのも一瞬だけ。気づいてないはず。

なんて悶々と考えているうちに屋敷についた。

早速鏡を覗いてみると、私の頭には一目惚れしたあの簪が刺さっていた。

『もしかして気にしてたの気づいてたんですか？』

と聞いてみると

「さあなァ。でも、Aの事はなんでも分かるんだわァ。」

とはぐらかされた。

ともあれ、嬉しいのには代わりがないので、

『ありがとうございます。』

とお礼を言うと、

「…Aに似合うと思って勝手に買っただけだァ。礼はいらねェ。それよりAは簪送られる意味分かってんのかァ？」

と問いかけられる。

服と言い簪といい、何か意味があるのだろうか…。

服の時と同じように、意味が分からない私は小首をかしげることしか出来なかった。

「まあいいわ。そのうち気づかせてやらァ。」

ご主人様は意味を知って欲しかったらしい…。

そうだ、今度蜜璃さんに聞いてみよう。

あの人なら彼氏？もいるしこういう事に詳しいに違いない。

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