稀血のペットになりました。

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上半身に筋肉痛のような痛みを感じながら起きた。

目の前にはご主人様の顔。

筋肉痛になったのは昨日抱きつきながら寝たせい？

ご主人様は先に目覚めていたらしく、じい、と私の顔を見つめてくる。

相変わらず、どろりとしたなんとも言えぬ表情をしている。

「やっと起きたかァ、昨日は好きにさせてもらったァ」

そう言いながら私の首に頭をうずめ、執拗に首筋をなめとってくる。

鈍痛が首筋に走る、が、なんとも言えないような高揚感にすぐにかき消された。

それにしても好きにさせてもらった、とはどういう意味なのだろうか。

その意味をすぐ知ることになる。

そう、着替える時にちらと映った二の腕に無数の吸い痕、そして噛み跡が残っていたのだ。

(痛いのはこのせい…)

恐らく寝てる間にされたのだろう。

じい、と痕を眺めていると、

「何しても起きなかったァ、痕、嫌ならさっさと治せばいいだろォ」

そうだ、今の私は鬼なので、このくらいの傷跡であれば簡単に治せるだろう。

でも、

『治しません。だって、ご主人様がせっかく付けてくれたんですから。』

この痕を見るとなんだか満足感が湧いてくる。昨日のものたりなさ、が嘘のようだ。

ご主人様はそうかァ、と言いながら少し驚きつつも、満足気な様子になり、わしゃわしゃと頭を撫でてくれた。

ああ、もう私はこの人に酷いことをされないと生きていけないのかもしれない。

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