恋愛エクスタシー [Yuto] (ページ5)

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6. When we were young ページ5

生きてきて10数年

かれこれ私の右横には優斗くんがいて

それは生まれた瞬間からまでに遡る

産婦人科でたまたま優斗くんのお母さんが私のお母さんの横のベッドにいて

たまたまお母さんたちが妊婦同盟なんか組んで仲良くなって

たまたま住んでいたお家がお隣さんだっただけ。

「A！」

「ゆうとくん。」

小さい頃から友達ができなくて

いつも優斗くんにひっついてた私を

「なんか妹みたい」

馬鹿にせず、いつも守ってくれた彼。

「Aのことならなんでもわかるよ。」

柔らかく微笑んでくれる

そんな優斗くんのが大好きで、大好きでたまらなかった。

中学に昇ってもその気持ちに揺らぎなんてナッシングってほど迷いはなくて

そんな時に、サラに出会った。

中学2年生の春

初めて優斗くんとクラスが分かれた私は

やはりぼっち。

人見知りで、引っ込み思案で、弱虫な私

いつも優斗くんに懐いて、頼っていた私

そんな甘ったれたやつにクラスの居場所なんてほぼ無いに等しい

でもサラだけは違った

「Aちゃんっ！」

柔らかい声で

私を受け入れてくれた、

心の底から仲良しだって

言えるようなそんな彼女に

いつしか優斗くんのへの甘えも少しずつ減っていって

「へ？Aに友達？」

「馬鹿にしないでよ！友達くらい…いるもん」

ある日の登校時間

相変わらず私の右横を歩く、少し背が伸びた彼に言ってやった

『今度紹介したい友達がいる』って

「あ、この度はこんな鈍臭い奴の友達になってくれてありがとう…」

「いやいやそんなっ！Aはいい子です」

ペコペコしながら挨拶する大好きな2人の間で

私は、嬉しい気持ちでいっぱい。

幼馴染の彼と、クラスメートの彼女

野球好きな彼と、読書好きな彼女

接点なんてないはずの2人を繋いだ私は

なんだか優越感に浸っていたんだ。

優斗くんが知らなくて、私が知ってることがあるんだよって

サラが知らない人とも私は仲がいいんだよって

2人の友情は私が繋いだんだって

浮かれてる自分。

だけど、どうもそうじゃなかった。

いつの頃からか、朝登校はサラも交えて3人になった。

いつの頃からか、私の右横にいた優斗くんはいなくなってて、代わりにサラの横に優斗くんがいた、

いつの頃からか、帰りは優斗くんと一緒に寄り道して、たくさんおしゃべりしてた時間は

1人になった。