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31. Mine ページ30

Yuto.N


「おい、那須!ぼーっとすんな!」

「あ、」

ドンと当たる肩への衝撃に目を向けて見れば

反動した白い球がコロコロ地面に転がっている。


「お前朝練久しぶりだからって言い訳はダメだぞ」


すみません

って頭を下げながら


また始まるキャッチボール


別に朝は弱い方じゃないんだけどな


指から滑り出して弧を描くそれを眺めながら


別のことに意識を向けた。




「先輩…大丈夫かな」


「ん?なんかいった?」


「いいえ、」



まぶたの裏に浮かぶのは熱にうなされて苦しそうに寝る先輩の姿。


また今日もお邪魔しに行こうかな


あのままじゃきっと学校にはしばらく行けないだろうし

ぽんぽん心地よく行われるボールの行き来

そのリズムを遮ったのは


「那須、」


「優斗くん?」


眉をひそめた、少し不機嫌そうな優斗くんだった。


_______

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作者名:ぽん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2018年6月21日 4時

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