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言い終わって、ふと我に帰る。
いや、何言ってんだ俺
『あ、ありがとう、ございます』
相良は混乱してそうだし、
「あ、そうなの?」
インタビュアーは面白くなさそうにしている。
_____ヴーッヴーッ
若干凍った空気の中、取材終了を知らせるスマホのタイマーが鳴った。
適当に挨拶をして切り上げる。
「相良、行こう」
『は、はい』
俺に続いて立ち上がる相良を確認してから楽屋へと向かう。
.
楽屋に入ってお互い椅子に座るけど若干気まずい。
そんな中、相良がこちらに歩み寄ってきた。
『梅原さん、さっきはありがとうございました、』
「気にすんな、さっきのことは聞き流せばいいから」
『は、はい。すいません、うまく対応できなくて、』
「あんなん応える価値もねえよ」
そう言うと、相良は一呼吸おいて
『でも、梅原さんが言ってくれたこと、咄嗟のフォローだったとしてもすごく嬉しかったです』
と、やっぱりあの眩しい笑顔でそう言った。
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作者名:ツキ | 作成日時:2024年3月11日 1時