どうか、あなたに会えますように (ページ27)

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𝟐𝟕 ページ27

🥟

「え、？」

『驚くわよね、でももう決まっちゃったことだから、私にはどうしようもできない』

A様から聞かされたのは、来週の今日、名の知れた名家に嫁ぐということだった

身分が違うせいで僕たちが結ばれることはないとわかってたはずなのに、いざ現実を目の当たりにしたら言葉が出てこない

しかもこんなに急に、

『今日ヒョンジンに会えなかったら、もう会わないままでいようと思ったの、』

『でも会えたから、最後にひとつだけわがまま聞いてくれる？』

「そんな、最後だなんて言わないでください、！」

「それにお願いなら、ひとつだけなんて言わずにいくらでも聞きますよ、」

『ありがとう、でももう大人にならなきゃね、』

『だからお願い、最後に痛いくらい抱きしめてほしい』

今の僕に迷いなんかなかった

これが本当に最後になってしまうのなら、このわずかな繋がりさえ途切れてしまうのなら、せめてA様が僕のことを忘れてしまわないように

ただそう祈って、優しくその華奢な体を包み込んだ

「僕は、絶対にA様のことを忘れません、」

『私も、絶対に忘れたりしないわ』