𝟐𝟑 ページ23
🥟
あの後、身分なんて関係なく、ただの友達みたいにくだらない話をたくさんした
それからも蔦のアーチの奥に広がる2人だけの秘密の庭で、僕たちは話して、絆を深めた
同世代が少ない宮殿の中では、お互いが支えになって、どこか寂しい気持ちを埋め合っている気分になる
だから今では、僕自身はA様のことを想っているけど、今の関係性でも彼女の寂しさを紛らわせているのならそれでもいいか、なんてこの関係に満足していた
でもある夜、彼女から言われた言葉は、そんな考えが簡単に覆ってしまうほど僕にとって都合が良くて魅力的だった
「A様、こんばんは」
『ヒョンジン、!今夜も来てくれたのね』
「当たり前ですよ、」
『ヒョンジンはいつもそう言ってくれるけど、ほんとに嬉しいのよ』
『あなたが冷たい夜に、私のためにここまで来てくれるのって』
「それって、僕のこと、」
なんだか含みを持たせた言い方に、その真意を求めてしまって、
隠そうとしていた感情が溢れそうになる
『うん、ヒョンジンが思ってる通りよ』
「僕が思ってる、通り、」
『気づいてないフリなんてしないで、』
『私、あなたに見透かされたいの』
この言葉のせいで、もっとA様に近づきたくなってしまった
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作者名:ツキ | 作成日時:2023年12月1日 22時