𝟏𝟗 ページ19
🥟
A様との関係が思いもよらない形へと進展して、僕たちは本当に少ない時間だけど2人でよく話すようになった
A様の侍女たちは、最初あまりいい顔をしていなかったけど、A様の楽しそうな姿を見て仕方なく見逃してくれているようだった
今日は久しぶりにA様の肖像画を描く
昨日話した時に、外にいる私を描いてほしいと提案されたから待ち合わせは優しい木漏れ日が降り注ぐ庭園
画材を持って向かうと、この庭園を流れている小川のほとりに小さくしゃがみ込んでいるA様がいた
まるで童話の中に入り込んだかのような柔らかく美しい姿に、心が温かくなる
「A様、!」
『あ、ヒョンジン!』
「今、とても素敵な構図なのでこのまま絵に取りかかってもよろしいですか?」
『ええ、もちろん!今日もよろしくね』
屋外の開放的な空間で絵を描くのは久しぶりで筆が乗る
このあたたかな木漏れ日が僕たちを包み込んで、時間があっという間に過ぎる
「A様、描き上がりました」
『あら、早いわね!見せてちょうだい?』
「ええ、もちろんです」
僕の隣に来てキャンバスを覗いたA様は、わぁ、と小さく声を漏らした
264人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ツキ | 作成日時:2023年12月1日 22時